現場スタッフの指導役「認定介護福祉士」

2016.3.2

認定介護福祉士とは?

認定介護福祉士は今後ますます進む高齢化社会の中で介護の質を向上させ、介護サービス利用者の方のクオリティーオブライフを充実させるために新たに設けられることが予定されている資格です。その職務内容は介護福祉士の上位資格として介護福祉士の指導にあたり、介護サービス全体の質の向上に貢献することです。
なお資格の運営は日本介護福祉協会によって行われることになっていますが、2016年3月現在ではその詳細は仮定もしくは未定になっております。しかし介護における様々な問題が本格化すると言われている2025年には、介護福祉士の2~3%が認定介護福祉士になると言われています。

認定介護福祉士とは?

2025年問題の解決に向けて

このような資格が新たに新設されるようになった背景は、2025年問題への危機意識の表れの一環と言えます。日本人の各世代の中で最大の人口ボリュームを誇るのは戦後生まれの団塊の世代ですが、この世代が2025年頃までには後期高齢者と呼ばれる75歳を迎えてしまいます。そうしますと、現状でさえ人員や施設の不足に悩まされている介護問題が一層の悲惨さを見せる可能性があり、これが2025年問題といわれるものです。
現状でも介護を巡るトラブルとして利用者の方の多さと忙しさから現場のスタッフの疲労とストレスがピークに達してしまい、離職や酷い場合はサービス利用者の方への虐待へと繋がっています。現状でこうなのですから今以上に過密が予想される将来においてはより酷い状況になってしまう可能性もあるのです。そのような事態を避けるために、現場で働く人間を指導教育するための上位資格である認定介護福祉士を新設する構想が立ち上がったのです。

2025年問題の解決に向けて

簡単ではないがやりがいも大きい

現在発表されている内容はまだ予定段階ではありますが、認定介護福祉士は上位資格であるだけに簡単に取れる資格ではありません。まず7~8年以上の実務経験が必要で、その中には施設と住宅双方での実務経験やリーダー職の経験も求められます。つまり介護の現場に広く精通しリーダーシップも取れる人材が求められているのです。しかしその役割にはサービス利用者の方のクオリティーオブライフの充実を目的とした職員の研修や関係各所との連携促進など高度なものが多く、チャレンジ精神の強い人にはとてもやりがいのある仕事と言えるでしょう。
認定介護福祉士の仕事の特徴として、上記のような例から現場でのサービス提供者というよりもサービス提供の責任者としての側面が強くなるでしょう。今日本の介護では認定介護福祉士の活躍による人材とサービスの向上が強く求められているのです。

簡単ではないがやりがいも大きい

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